EPB壊した?はい、10万コース。犯人はあなたです。

EPBの操作ミスに気づいた整備士の表情と電子パーキングブレーキのスイッチ
EPBの操作ミスに気づいた整備士の表情と電子パーキングブレーキのスイッチ

作業前にモード切替していれば防げたはずのモーター破損。

「やってない」の一言が、整備ミスから事故に変わることも。

EPB 整備、スキャンツールなしではもうリスクが高すぎます。

スキャンツール活用術:ブレーキメンテナンスリセットの作業サポート機能とは?


1. はじめに

ブレーキリセット、なぜ後回しになる?

ブレーキリセットが後回しになりがちな理由としては、以下のような現場の実情があります。

  • 作業完了後の確認として忘れやすい
  • 整備書を調べるのが手間
  • 「やらなくてもとりあえず走る」から重要性が薄れがち

こうした“軽視されやすい”背景があるため、リセットを怠ったことで警告灯が点灯し続けたり、再入庫になるケースも。


EPB搭載車では、リセットは「必須作業」

電子制御のEPB車両では、ブレーキ交換後に正しい位置にキャリパーを戻すリセット処理が必要です。
リセットを行わないままだと…

  • パーキングブレーキが解除されない
  • キャリパーモーターの異常作動
  • 警告灯が点灯する

といったトラブルに直結します。
リセットは安全にも直結する重要作業であり、「やらない」という選択肢はありません。


なぜ整備士は“苦手意識”を持つのか?

現場でよく聞く声がこちら:

「車種によって手順が全部違うから覚えきれない」
「スキャンツールのどのメニューか分かりづらい」
「変な操作をしてしまって、結局リセットできなかった」

実際、EPB関連の作業はメーカーやモデルごとに仕様が異なり、手順書を確認してもスキャンツールの表示と一致しないことも多くあります。
結果として、「面倒だ」「時間がかかる」→ 後回しにしがちになるのです。


⒉電子制御化による作業リスク

電子制御パーキングブレーキ(EPB)のユニットとその構造イメージ

最近の車両は電子制御が当たり前になり、EPB(電子パーキングブレーキ)も広く採用されています。
しかしこの便利な機構、整備の現場では正しい手順を知らないとトラブルの火種になります。
機械的な作業感覚のままで対応すると、大きなリスクを伴うケースもあるのです。

EPB 整備で実際によくあるトラブル例

  • EPBを解除せずにパッド交換し、モーターを破損
  • リセットを忘れてエラーランプが点灯・警告灯が消えない
  • 納車後に不具合が出て、クレームや再入庫につながる

こうしたトラブルは、ちょっとした知識不足や確認不足で誰でも起こり得るもの。
EPB搭載車は、作業前後の電子制御対応をしっかり押さえておくことが重要です。


3. 作業サポート機能とは?

スキャンツール接続に使用されるOBDコネクターのクローズアップ写真

「診断」だけじゃない、スキャンツールの新たな役割

スキャンツールといえば「故障診断」のイメージが強いですが、実はそれだけではありません。
最近のスキャンツールには作業サポート機能が搭載されており、整備の現場で頼れる“作業支援ツール”としての役割も担っています。

作業サポートでできること

作業サポート機能では、以下のような制御操作をスムーズに行えます:

  • EPBのメンテナンスモード移行
  • ブレーキパッド交換に必要なモーターの準備動作
  • 交換後のモーター位置の再学習
  • 各種リセット・初期化処理

本来は手動で行うと複雑な操作や確認が必要なこれらの作業も、ワンタッチで実行可能
スキャンツールの進化により、整備の効率と正確性が大きく向上しています。


4. ブレーキメンテナンスリセットの手順(国産スキャンツール編)

たとえばG-SCANを使用する場合、画面構成が直感的で整備士にも分かりやすいのが特徴。

▼ 実際の作業フロー(例:トヨタ アルファード)

  1. OBDに接続し、車種を自動選択
  2. 「電動PKB」→「作業サポート」→「チェックモード移行」
  3. 画面案内に従いモード切替
  4. ブレーキ作業実施
  5. 作業後に「EPB初期化」または「学習」実行

画面上で注意点も表示されるので、操作ミスが起きにくく、誰でも安心して使えます。


5. 他メーカー(LAUNCH・Autel)との比較

スキャンツール特徴向いているユーザー
G-SCAN国産車対応◎/日本語表示が正確ディーラー系/初級者
LAUNCH幅広い車種対応/メニュー階層が深め輸入車も触る整備工場
Autel欧州車対応強め/設定項目が豊富中~上級ユーザー向け

作業サポート機能の使いやすさは機種により異なり、導入時は操作感も重視すべきポイントです。


6. 対応車種とリセット対象の実例

EPBが搭載されている代表的な車種は以下の通りです。

▼ 国産車例

  • トヨタ:プリウス/アルファード/クラウン
  • 日産:エクストレイル/セレナ
  • ホンダ:シビック/ステップワゴン

▼ 輸入車例

  • フォルクスワーゲン:ゴルフ/ティグアン
  • BMW:3シリーズ/5シリーズ/Xシリーズ
  • メルセデス・ベンツ:Cクラス/GLA

◎車種により「メンテナンスモードに入らないと作業できない」ケースもあり、車両ごとのリセット作業の把握が必要不可欠です。


7. 現場のリアル:整備士の本音と改善事例

「パッド交換後に警告灯が消えず、もう一回バラして確認するハメに…」
(30代・整備士/国産ディーラー)

「初めて扱う輸入車で、EPB解除が分からずパニック」
(40代・民間整備工場)

作業サポート機能で改善された3つの実例
 └ 時間短縮/若手育成/クレーム削減

 改善事例①:作業サポート活用で時間短縮

「EPBの解除→整備→初期化がスキャンツールで一括。
これまで20分かかっていた作業が10分以内に短縮できました」
(整備歴15年・ホンダ系サービス)


改善事例②:若手教育にも効果アリ

「若手に作業サポートの操作を教えることで、“なんとなく整備”から脱却
手順通りにやる意識がついたのは大きいですね」
(民間工場チーフメカニック)


改善事例③:クレーム“ゼロ”に

「リセット忘れがゼロに。
一度入力すれば履歴も残るので、整備記録としても安心です」
(日産系列工場)


8. まとめ

ブレーキリセット作業は、整備士にとって「ちょっと面倒」「覚えづらい」と感じる作業の一つ。
でも、スキャンツールの作業サポート機能を活用すれば、失敗を防ぎ、作業効率を格段に上げることが可能です。

これからの整備現場では、

すべての面で、「作業支援としてのスキャンツール活用」が欠かせないスキルになっていきます。
「診断機」から「整備支援ツール」へ──
スキャンツールの真価を、現場で実感してみてください!


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元トヨタ系ディーラー工場長が発信する整備士ブログ。
資格:トヨタ検定1級/自動車検査員。
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