“DTC消しても直らない”って言ったよな?それ、アドブルーです

アドブルー故障でDTCを消去しても直らないイメージ画像

DTC消してるのに全然直らない?そりゃあんた、元カノの未練よりタチ悪いわ。
原因は毎度おなじみ、アドブルーの空っぽタンクだってのに。
エラー消しゴムより、まず尿素ボトル持ってこい。

アドブルー故障でDTCを消去しても直らないイメージ画像

はじめに

「DTC消したのに直らないんですけど?」――はいはい、それもう何回聞いたことか。
答えはシンプル、タンクが空っぽのアドブルーです。

エラー消すより、先にコンビニで尿素水売ってたら楽なんですけどね。
SCRは仕組みがややこしいくせに、原因は案外単純。

この記事では、そんなアドブルーの正体からトラブル事例まで、整備士あるあるを交えつつ解説していきます。

1. アドブルーとは – 尿素SCRシステムの概要

  • 【図解】排気浄化システムの全体構成
尿素SCRシステムの簡単なチャート図


  • SCRの役割と作動原理(NOx還元)
  • アドブルーの化学的性質(尿素水32.5%)

2. 尿素SCRシステムの構成部品と動作の流れ

  • 【図解】SCRシステム構成図
EGR・DOC・DPF・SCRを含む排気浄化システムの構成図
  • 尿素噴射の制御タイミング
  • スキャンツールによる「各部の実測値確認」が重要になる理由

3. 還元反応の仕組みとSCR内のプロセス

  • アドブルー噴射後、アンモニアに分解 → NOxと化学反応 → N₂とH₂Oへ還元
  • 過剰・不足な噴射による問題
  • 【図解】還元反応のイメージ図
"アドブルー噴射後にNOxが窒素と水へ還元される化学反応のイメージ図

4. よくあるトラブル症状と原因別解説

症状原因対応例
冷間時にアドブルーが出ない凍結・ヒーター不良ヒーター点検、エラーコード確認
尿素液が結晶化して詰まる長期間未使用、噴射残留インジェクター洗浄・交換
エンジン警告灯(NOx異常)センサー不良、噴射不良実測値チェック、DTC確認
「走行不能」カウントダウンSCRシステム重大故障緊急対応・リセット処置

5. 尿素SCRシステム トラブル診断フローチャート

  • 初期チェック:DTC読取 → 実測値確認(温度、圧力、NOx前後比較)
  • 加圧確認:尿素ポンプ作動 → 噴射圧 → 噴射量アクティブテスト
  • センサー系確認:NOxセンサー出力 → 尿素濃度センサー → 温度センサー
  • 最終的判断:再学習 or 強制再生の実行要否

6. 主なDTC(故障コード)リストと概要

DTCコード内容主な原因対処方法のヒント
P20E8尿素供給系統の圧力低下ポンプ不良、配管詰まり圧力実測、アクティブテストで確認
P204FSCRシステム異常(性能低下)NOx還元率低下NOxセンサー実測、触媒状態評価
P207Fアドブルー品質異常濃度劣化、不純物混入尿素濃度センサー確認、交換
P2002DPF効率低下関連系統の影響もありDPF再生履歴・強制再生チェック
P2201/P2202NOxセンサー異常センサー断線・短絡配線点検、センサー交換

7. スキャンツールを使った診断の実践例

  • 実測値例:
    • NOxセンサー前後の濃度比較
    • 尿素タンク温度・加圧値・噴射回数など
  • アクティブテスト例:
    • ポンプ作動チェック
    • 尿素インジェクター噴射確認(エンジン停止状態で実行可な機種もあり)


8. 実際の整備現場でのトラブル事例

■ ケース①:冬場の結晶化で詰まり発生

  • インジェクター先端に結晶 → 噴射不良
  • 対処:加温で洗浄、配管チェック、凍結防止ヒーター確認

■ ケース②:NOxセンサー劣化によるDTC出力

  • 表示:P2201 → 出力値ブレ確認で不良確定
  • 対処:センサー交換、学習値リセット

■ ケース③:アドブルー誤補充によるポンプ損傷

  • 燃料混入 → ポンプ内腐食
  • 対処:タンク・配管洗浄、ポンプ交換

9. メンテナンスと予防のポイント

  • 正規のアドブルー使用(ISO22241準拠)
  • 補充時の注意:こぼさない、汚染させない
  • 尿素水の有効期限と保管温度管理(冷暗所推奨)

10. まとめ

  • SCRは高度な排ガス浄化システムである一方、整備負担も大きい
  • スキャンツールの活用で、効率的な診断・トラブル防止が可能
  • 正しい知識と日常点検がSCRシステムの健全性維持につながる

結局のところ、「DTC消去ボタン」より「アドブルー補充ポリタンク」の方が、よっぽど修理力があるって話です。



SCRシステムの仕組みや故障原因を理解することで、警告灯トラブルを未然に防ぐことができます。
特にアドブルーの不足は、最も多い原因の一つです。

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正規品アドブルーをストックしておきましょう。
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参考:アンモニアの取り扱いについて(厚生労働省.「職場の安全サイト:化学物質:アンモニア」)

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元トヨタ系ディーラー工場長が発信する整備士ブログ。
資格:トヨタ検定1級/自動車検査員。
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