直ったと思ったら、また点いた。警告灯の話
―チェックランプが一度消えて再発する理由―

直ったと思ったら、また点いた。警告灯の話

目次
―チェックランプが一度消えて再発する理由―
車に乗っていると、ふと点く警告灯。
「直ったと思ったら、また点いた…」なんて経験はありませんか?
警告灯は、単純に故障を知らせるだけではなく、消えたり点いたりすることもあります。
この記事では、元工場長目線で警告灯が一度消えたのに再発する理由を整理します。
ポイントを押さえれば、
- 何を気にすべきか
- どんな場合に安心してよいかが見えてきます。
1. 導入|直ったと思ったのに、また点いた
警告灯が点いたけど、次に乗ったら消えていた。
「とりあえず大丈夫か」と思ったものの、しばらくしてまた点灯。
この流れは、整備現場では日常的です。
「一度消えたのに再発するのはなぜか」を理解することで、無駄な心配や誤判断を減らせます。
2. 警告灯は「故障=常に点灯」ではない
警告灯は、壊れてもずっと点くわけではありません。
点灯の条件は、センサーの数値や走行条件、温度・負荷など、さまざまな要素に依存します。
つまり、警告灯が消えたからといって、完全に直ったとは限らないのです。
3. なぜ一度消えて、また点くのか
警告灯が一度消えたあと、また点くことがあります。
元ディーラー工場長として現場で見てきた経験から言うと、その背景にはいくつかの典型的パターンがあります。

- 冷間時や始動直後だけ症状が出る
→ センサーやECUがまだ学習段階の状態で、微妙な数値の変化が検知されやすいです。 - 一定の回転数・速度・負荷条件でのみ判定される
→ 例えば高速道路でのみ発生するケースなど、日常の短距離走行では症状が出ないこともあります。 - センサー値がギリギリ正常範囲を行き来している
→ 故障ではないけれど、条件次第で異常判定される場合もあります。
→ この微妙なラインは、整備現場でも判断が難しいポイントです。 - ECUの学習や補正で一時的に症状が隠れている
→ コンピュータが過去のデータを元に補正することで、一時的に警告灯が消えることがあります。
こうしたケースでは、外から見ただけでは異常か正常かを判断するのは非常に難しいのです。
元工場長の立場では、過去履歴や実測値、走行条件などを総合的に確認しないと、原因を絞り込むことはできません。
4. 「消えた=安心」でいいケース、注意すべきケース
消えたから安心してよいケースもあれば、早めに点検した方がよいケースもあります。
比較的様子見でいいケース
- 一度だけ点灯して再発なし
- 走行中の違和感・異音なし
注意が必要なケース
- 短期間で点灯と消灯を繰り返す
- 複数の警告灯が同時に点く
- エンジン・ブレーキ・HV関連の警告灯
重要なのは、「消えたかどうか」ではなく、どの条件で点いたかです。
例えば、エンジンが冷えているときだけ点灯するのか、高負荷時にだけ点くのか。
走行条件や状況によって、同じ警告灯でも意味が大きく変わります。
元工場長としては、ここをしっかり把握して記録することが、正確な診断への第一歩だと考えています。
5. スキャンツールがあっても判断を間違えるケース
スキャンツールは便利ですが、万能ではありません。
コードが出ない場合や、実測値だけでは異常が確認できないこともあります。
元工場長としては、「数字だけで安心せず、状況や再現条件を考慮することが大事」と現場で感じてきました。
個人的に思うのは、
高額機をいきなり使いこなそうとするより、
まずは
・故障コードの確認
・ライブデータでの変化を見る
・作業後の簡単なリセット
ができるレベルで十分やということです。
このあたりの判断のコツや、見落としやすいポイントは、次回の記事で詳しく解説します。
気になる方はぜひチェックしてください。
ちなみに、その点で言うと、TOPDONの「600S」は、
判断材料を集めるという意味では、かなり扱いやすい部類です。
操作もシンプル。
「これで原因が分かる」という道具ではありませんが、“判断をズラさないための材料を集める”
という使い方なら、ちょうどええ立ち位置やと思います。
判断材料を集めるという意味では、こういった診断機があると助かる場面もあります。
6. 故障コードが出ないのに調子が悪い理由
コードが出ない場合でも、実際には異常が存在することがあります。
- センサー値は基準内
- でも走行フィールがおかしい
- 条件がそろわないと異常判定されない
こうなると、外部から見ただけでは判断が難しいことになります。
7. ディーラーで「様子見」と言われる本当の意味
警告灯が消えている状態で入庫すると、ディーラーでは
「今回は様子見でいきましょう」と言われることがあります。
元ディーラー工場長の目線で言うと、これは無責任な対応ではありません。理由はシンプルです:
- 再現性がない
- 判断材料が不足している
- 安易に断定するとリスクがある
整備現場では、再現条件の把握や記録、責任の所在を考えた上で、慎重に判断するのが常識です。
ちなみに、ここだけの話ですが、工場長時代は「消えた警告灯」でも、車両の過去履歴や微妙な数値の変化だけで、原因を絞り込むケースもありました。
でも、このあたりは数字だけでは伝えきれない部分が多く、詳しく語ると長くなるので…詳しくは次回の記事で解説します。
8. おさらい|チェックランプが消えたのに再点灯する理由

Q1. チェックランプが消えたままなら、放置しても大丈夫?
A. 条件次第ですが、「消えた=安心」とは限りません。
一度きりで、その後まったく再発せず、
走行中の違和感や異音もない場合は、様子見で問題ないケースもあります。
ただし、
- 冷間時だけ点く
- 特定の速度・負荷で再発する
- 短期間で点いたり消えたりを繰り返す
こうした場合は、警告灯が消えていても原因が解消していない可能性があります。
重要なのは「今消えているか」ではなく、どんな条件で点いたかです。
Q2. なぜチェックランプは一度消えて、また再点灯するの?
A. 多くの場合、異常が“常時発生していない”ためです。
警告灯は、
一定の条件(温度・回転数・負荷・走行時間など)が揃ったときにのみ
異常と判断される仕組みになっています。
そのため、
- 条件が外れると警告灯が消える
- 再び条件が揃うと再点灯する
という動きをします。
ECUの学習や補正によって、一時的に数値が落ち着き、
「直ったように見える」こともありますが、
根本原因が残っていれば、いずれ再発します。
9. まとめ|警告灯は“答え”ではなく“ヒント”
警告灯は、故障の答えではなく、**「何か起きているかもしれない」というヒント」**です。
一度消えたからと安心せず、
- いつ点いたか
- どんな走行条件だったか
- どう変化したか
を把握して伝えることで、診断の精度は大きく上がります。
「警告灯に振り回されすぎず、でも無視は禁物。車は怒っても文句は言わへんけど、こっちは気づかんと怒られるで!」
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元トヨタ系ディーラー工場長が発信する整備士ブログ。
資格:トヨタ検定1級/自動車検査員。
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