エアバッグ警告灯の診断方法を解説|スキャンツールでDTC確認と修理対応の手順

スキャンツールでエアバッグ警告灯を診断する様子

1. はじめに

スキャンツールでエアバッグ警告灯を診断する様子

エアバッグは、事故時に乗員の安全を確保するための重要な装備です。しかし、エアバッグシステムに異常が発生すると、警告灯が点灯し、安全性に影響を及ぼす可能性があります。今回は、スキャンツールを使用したエアバッグ 警告灯の診断手順を解説します。

診断時には以下の点に注意してください。

  • バッテリーの状態確認:低電圧による誤作動を防ぐため。
  • エアバッグシステムの取り扱い:通電状態での作業は誤展開のリスクがあるため、適切な手順で進める。
  • DTC(故障コード)の記録:診断前に現状の故障コードを保存し、原因特定の参考にする。

2. スキャンツール準備

使用するスキャンツールの選定

エアバッグ診断に対応したスキャンツールを選ぶことが重要です。メーカー専用の診断機器と汎用スキャンツールのどちらを使用するかは、診断対象の車両によって異なります。
安価な汎用スキャンツールではエアバッグ診断に対応していない場合があるため注意が必要です。

診断前の車両状態確認

スキャンツールを接続する前に、以下の点をチェックしましょう。

  • バッテリー電圧:12V以上を確保する(低電圧だと誤診の可能性あり)。
  • ヒューズの確認:SRSエアバッグシステムの電源供給が正しく行われているか。
  • 配線の目視チェック:接触不良や断線がないか。

OBD2コネクターへの接続手順

  1. イグニッションOFFの状態でスキャンツールをOBDコネクターに接続。
  2. イグニッションON(エンジン始動は不要)。
  3. スキャンツールの電源を入れ、車両情報を読み込む。
  4. 適切な診断モードを選択し、DTCを確認する。

3. 診断手順

3-1. DTC(故障コード)の読み取り

DTCを取得すると、エアバッグ警告灯が点灯した原因が特定しやすくなります。

  • コード取得方法:スキャンツールの「SRSエアバッグ」メニューから故障コードを読み取る。
  • メーカーごとの違い:メーカーごとにDTCの表記や診断項目が異なるため、サービスマニュアルを確認。
  • 一般的なDTC【
    • B0010:運転席エアバッグ回路異常
    • B0020:助手席エアバッグ回路異常
    • B0028:シートベルトプリテンショナー異常

3-2. データ表示の確認

スキャンツールを使って、リアルタイムでセンサーの動作を確認できます。

  • 衝突履歴の確認:過去の衝突記録が残っていると、リセットしない限り警告灯が消えない。(各メーカによって異なる)
  • エアバッグモジュールの状態:正常に通信しているかチェック。
  • クラッシュセンサーのステータス:異常がある場合は、配線やセンサーを点検。

3-3. 診断結果の解析

警告灯の原因を特定したら、適切な対処法を検討します。

  • よくある原因と対策
    • コネクタの接触不良 → 接点クリーナーで清掃、ロック状態の確認
    • バッテリー低電圧 → バッテリー充電または交換
    • 配線断線 → 配線の補修または交換
  • コードクリアの前に確認すべきポイント
    • 修理後、DTCを再読み取りし、新たなコードが発生していないか確認
    • 警告灯が消灯しているか最終チェック

4. 修理と対応策

コネクタの点検・清掃

コネクタ部分の接触不良が原因で警告灯が点灯することが多いため、清掃・固定を確認する。

配線・センサー・エアバッグモジュールの交換判断

  •  配線の劣化・破損している場合は新品に交換。
  • 衝突履歴のあるモジュールは交換が必要。
  • センサーに異常がある場合、メーカー推奨の方法で交換。

診断後のリセットと再確認手順

  1. 修理完了後にスキャンツールでDTCをクリア。
  2. イグニッションをOFF→ONし、警告灯が消えているか確認。
  3. 試運転を行い、エアバッグシステムが正常に動作しているか確認。

5. 診断後の確認作業

警告灯の消灯確認

修理後に警告灯が消えない場合は、修理が完了していない可能性があるため再診断。

試運転時の最終チェック

エアバッグシステムの異常がないか、試運転を行って再確認。

再発防止のためのメンテナンスアドバイス

  • バッテリーの定期点検を行い、低電圧による誤作動を防ぐ。
  • コネクタの緩みがないか定期的にチェック。
  • 衝突時に不要なDTCをクリアするため、定期的な点検、事故歴の確認。

6. まとめ

エアバッグ警告灯が点灯した場合、スキャンツールを使用することで原因を素早く特定できます。診断の流れとしては以下の手順を意識しましょう。

  1. DTCを取得し、エラー内容を特定
  2. データ表示を活用し、システムの状態を確認
  3. 適切な修理を実施し、DTCをクリア
  4. 警告灯の消灯と試運転で最終確認

適切な診断と修理を行うことで、安全性を確保し、トラブルの再発を防ぐことができます。整備士としての確実な作業が、ドライバーの安心につながります。


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元トヨタ系ディーラー工場長が発信する整備士ブログ。
資格:トヨタ検定1級/自動車検査員。
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