スキャンツールは診断だけじゃない!
現場で役立つ“作業サポート機能”の活用法


目次
1. はじめに
作業サポート機能って何?
スキャンツールは「故障診断」のみならず、車両の細かな調整やリセット作業など、多くの作業をサポートする機能を持っています。
整備士にとって、これらの機能を使いこなすことが現場での効率を格段に上げ、トラブルのリスクも減少させます。
2. 作業サポート機能とは?
概要と目的
作業サポート機能には、例えば以下のような作業が含まれます:
- 初期化・リセット:バッテリー交換後やブレーキパッド交換後に必要なリセット作業。
- 学習:新しい設定を車両のECUに学習させる作業。
- 調整:アイドル回転数の調整や電スロ初期化など、細かな設定の調整。
これらは単なる診断ではなく、車両を最適な状態に保つために必要不可欠な作業です。
故障コードがなくても使う理由
スキャンツールは、故障コードが表示されない場合でも非常に有効です。
例えば、アイドリング不安定やDPF再生が必要な場合など、定期的なメンテナンスにも活用できます。
3. 現場でよく使う作業サポート機能
実例紹介
- 電スロ初期化:アイドリング不安定の改善に効果的。特にトヨタ車では初期化がスムーズで、短時間で問題解決可能。
- DPF再生:ディーゼル車のDPFフィルターの再生。これによりエンジン性能が保持されます。
- バッテリー交換後のリセット:アイドリングストップ車両などでバッテリー交換後に必要なリセット作業。
- ステアリング舵角センサー学習:パワーステアリングのリセットや交換後に必須。
- 電子パーキング解除:ブレーキパッド交換時、電子パーキングブレーキを解除・再設定。
4. 作業手順と画面キャプチャの紹介
スキャンツールでの操作画面(画像付き)
スキャンツールは直感的で操作しやすく、作業サポート機能を簡単に実行できます。
- メニューから「作業サポート」を選択

2. 対象車両を選び、必要な作業を選択

3. 画面の指示に従って手順を進める

4. 完了後、再確認して作業終了
5. 車種別の作業サポートの“クセ”
- トヨタ系:操作ガイドが親切で初心者にも使いやすい。
- ホンダ系:操作に癖があり、特に電子パーキング解除や学習機能に注意が必要。
- 輸入車:スキャンツールが対応しきれない機能もあり、場合によっては純正ツールが必要。
6. 他のスキャンツールとの比較
G-SCAN vs LAUNCH vs Autel
各メーカーのスキャンツールには、それぞれ得意な分野や特長があります。ここでは代表的な3機種について、実際の使用感や対応範囲を比較します。
■ G-SCAN(ジースキャン)
- 対応車種:特に日本車への対応に優れており、純正に近いレベルでの診断や作業サポートが可能です。スズキ、マツダ、ダイハツなど、他社製品が弱い国産車メーカーにも強いのが特長です。
- 操作性:日本語UIが洗練されており、メニュー構成も直感的。整備士の現場で使いやすいよう設計されています。
- 作業サポートの深さ:初期化・学習・再設定など、ディーラー並みの機能を備えており、細かな設定まで対応できます。
- サポート体制:日本国内に拠点があり、電話・メール・リモートによるサポートが手厚く、アフターケアも安心です。
■ LAUNCH(ローンチ)
- 対応車種:幅広い車種に対応しており、特に輸入車にも強い汎用型。国産車にも対応しているが、一部車種ではG-SCANに比べて対応が浅い場合もあります。
- 操作性:UIはやや独特で、翻訳精度にばらつきがあり、日本語が分かりづらい箇所も。慣れるまでは戸惑うこともあります。
- 作業サポートの深さ:一般的なリセット作業や簡易診断には十分対応。ただし、ECU学習や特殊設定などの一部作業では制限があることも。
- サポート体制:国内販売代理店を通じたサポートがあるが、対応スピードや精度にはバラつきあり。ユーザーの自助努力が求められる面も。
■ Autel(オーテル)
- 対応車種:輸入車を中心にグローバルでの対応実績が多く、ベンツやBMW、アメリカ車などにも対応。国産車にも広く対応しているが、一部では深度が足りない場合も。
- 操作性:LAUNCHよりも日本語UIが改善されている傾向があり、比較的使いやすい。ただし完全なローカライズではないため、マニュアルとの併用が必要。
- 作業サポートの深さ:DPF再生や電子パーキング解除などの主要な作業には対応。ただし、車種や年式によっては一部機能が制限される場合がある。
- サポート体制:国内サポート窓口がある製品とない製品があり、購入経路によって対応に差が出やすい点には注意が必要。
スキャンツール比較表:G‑SCAN vs LAUNCH vs Autel
| 項目 | G‑SCAN | LAUNCH | Autel |
|---|---|---|---|
| 対応車種 | 国産車(トヨタ・ホンダ・スズキ・マツダ等)やトラック/バスに強い | 主に欧州・米国・アジア車など広く対応 | 輸入車(米/欧)への対応が特に充実 |
| 操作性 | 日本語UIが◎ 分かり易い操作性 | UIは独特な部分あり。翻訳精度にばらつきも | UI改善されているが、マニュアル併用が必要 |
| 機能の深度 | 初期化・学習・再設定等、ディーラー並みの高機能 | ECUコーディング対応だが、学習機能などで制限あり | 高度な診断・深いコーディング機能あり。 翻訳精度に課題 |
| サポート体制 | 国内整備サポートセンター・研修会など体制が充実 | 国内代理店を通じたサポートあり。品質はばらつく | サポート窓口の有無が製品により異なる |
| コストパフォーマンス | 中~高価格帯だが高精度・信頼性重視に最適 | お手頃価格で多機能。輸入車整備にも向く | 機能充実でコスパ◎だが翻訳とサポートに注意 |
✅ まとめと評価理由
- G‑SCANは、国内整備現場での実用性と信頼性が高く、「日本車メイン+高精度な作業サポート機能を求める整備士」におすすめ。 asto-t.com+10contents.g-scan.jp+10note.com+10
- LAUNCHは、価格と機能のバランスに優れ、多車種対応力も備え、輸入車を含む幅広い整備業務に適するが、UIやサポートの安定感にはやや欠ける面があります。 obdadvisor.com+2naviexpressdiag.com+2mhhauto.com+2
- Autelは、特に輸入車での診断・コーディング機能が充実し、高機能でありながら比較的リーズナブル。ただし、UI翻訳や購入ルートによるサポート差に注意が必要です。
7. 作業サポートを最大限活かす方法
- アフターサポートを活用する
スキャンツールを使っていて迷う場面や、判断に悩むトラブルに直面したときは、整備サポートセンターや販売元のアフターサポートサービスを活用するのが効果的です。
故障探求のポイントや作業手順の確認など、経験豊富な担当者からアドバイスを受けることで、現場での対応力が大きく向上します。
一人で悩むよりも早く確実に問題解決へつながります。
リンク:アフターサポート
- 車種・作業に合ったツールを選ぶ
作業サポート機能は、ツールごとに対応する車種や項目に違いがあります。すべての車両・メニューに対応しているとは限らないため、自分が扱う車種や作業内容に応じて、最適なスキャンツールを選ぶことが重要です。
たとえば、国産車に強いモデルや、外車に対応しているモデルなど、現場のニーズに合ったツール選びが、作業サポート機能を最大限に活かすカギとなります。
8. まとめ
作業サポート機能は「知ってる人だけが得する」機能?
作業サポート機能は、知っている整備士にとっては大きな武器です。
現場での作業効率を向上させ、トラブルのリスクを減少させるためには、スキャンツールの作業サポート機能を積極的に活用しましょう。
スキャンツールは整備士の相棒
スキャンツールは、今や整備士の必須アイテム。
これを使いこなすことで作業が楽になり、精度も向上します。
今後、車両の進化と共に、スキャンツールの活用法も進化していくため、常に学び続けることが大切です。
あわせて読みたい:
→ 整備士目線で読み解く部品を“動かして診る”。アクティブテストが整備の現場を変える。

元トヨタ系ディーラー工場長が発信する整備士ブログ。
資格:トヨタ検定1級/自動車検査員。
プロフィールはこちら


